< 昆虫は人間がいなくても・・・ >
〜 生きていけるが、人間は昆虫がいなければ生きていけない 〜
陸上の全生物の重さを足し合わせると470ギガトンにのぼる。そのうち、私たち人間が占めるのはわずか0,01%にすぎない。動物をすべて合わせても0,1%。菌類や細菌など微生物を合わせても4,5%にすぎない。それに対して、植物は95%を占める。重さでは、植物こそ地球を支配する陸の王者と言っていい。
地球上の全生物の種数は200万種あまりとされる。そのうちヒト属で現存するのは私たちホモ・サピエンスの1種だけだ。哺乳類全体では6000種、植物は40万種。だが、昆虫はさらに多い。その種数はすでにわかっているものだけで100万種を超える。なんと昆虫だけで全生物の半分以上を占めているのだ。
植物の送粉者として、あるいは動物の食料として役に立ってきた昆虫。研究者たちは「昆虫は人間がいなくても生きていけるが、人間は昆虫がいなければ生きていけない」と話す。
微生物は私たちの身の回りに無数に存在している。目に見えない生き物すべて。それが微生物だ。その中には細菌(バクテリア)、真菌(カビ)などが含まれる。
たとえばあなたの口の中には、2000億もの微生物がいる。ぬるぬるする歯のぬめりを作り出す「口腔細菌」もいる。時に一気に増殖し、歯の上に「バイオフィルム」と呼ばれる不思議な構造物を作り上げる。
机の上には「アクネ菌」。ニキビの原因として嫌われてきたが、実は私たちにとってよい働きもしていることがわかってきた。毛穴にまで忍びこみ、黄色ブドウ球菌などの病原菌の攻撃から私たちの肌を守ってくれていることが明らかになってきた。腸内細胞についても、新しい能力が今も次々と発見されている。
実は、人の体で暮らす微生物は約100兆。一方、人体の細胞はおよそ37兆と推定されている。つまり体内の微生物はあなた自身の細胞よりも数が多い。
〜 「超・進化論」より 〜